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2022.06.29

センタレス研削の原理 ~ 研削の種類とその特徴についての説明 ~

センタレス研削とは

センタレス研削の種類

センターレス研削には大きく次の4つの方式があります。

  • インフィード研削(停止研削)
  • スルーフィード研削(通し送り研削)
  • エンドフィード研削
  • タンジェンシャル研削

これらは、加工物の形状や精度、能率などによって最適な方式が採用されます。

インフィード研削の仕組み

加工物はブレードと調整砥石で支えられ正確な回転が与えられます。
加工物(ワーク)、ブレード(支持刃)、調整砥石(調整車)の位置関係を保った状態で高速回転する研削砥石(研削車)の方へ切り込むことにより研削が行われます。
加工物の外周面が、研削砥石(A)、ブレード(B)、調整砥石(C)の3点ABCで接することにより加工物の断面である円の形状は最終的に唯一つに決まります。
すなわち理想の真円になります。

造円作用

センタレス研削では、加工物が回転するたびにひずみが徐々に減少して、最終的に真円に近づきます。
この一定の割合でひずみが小さくなることをセンターレス研削における造円作用と呼んでいます。
例えば1回転あたり10%の割合で減少すれば素材加工物が最初0.1mmのひずみを保つ場合、50回転することによって計算上は0.5μmのひずみに減少することが期待されます。

スルーフィード研削の仕組み

加工物はブレード(支持刃)と調整砥石(調整車)で支えられ調整砥石によって回転と送りを与えられながらブレード上を通過し研削されます。
これはブレードに対して調整砥石軸が一定の角度だけ傾けられているためで、加工物はグリップ力のある調整砥石により推力を与えられながらブレード上を移動します。
この場合、調整砥石の回転が早く調整砥石軸の傾斜角度が大きほど加工物は速い速度で送られます。
センターレス研削独自のスルフィード研削では軸方向に規制がないので、加工物の脱着が不要で、連続送りによる高能率加工が可能となります。

センタレス研削のメリット

  • 連続生産が可能で、高精度な部品を大量に生産できる(高精度、高能率)
  • ブレード(支持刃)があるので、加工物がたわむことなく長尺物の加工ができる(高い円筒度)
  • 加工物にセンター穴を開ける工程がいらない(加工工程の簡素化)
  • 段付きやR形状、欠損円等の加工ができる(広い適用範囲)

センタレス研削盤について・・・つぶやき

心なし研削は、円筒研削や旋盤のように中心を支持せずに加工物の外周を丸く削ることができます。
まさに、文字通り'Centerless Grinder'は「中心のない研削盤」と言うことになります。
メーカーによってはセンターレスを「芯なし」と表記する場合もあるようですが、当社は「心なし」と言う言葉にこだわっています。
ミクロン精密が扱う製品は「心なし」研削盤ですが、一つ一つの製品に「心を込めて」製造し、お客様に納品しています。

参考までに、センタレス研削盤は、「センターレス研削盤」、「センタレスグラインダ」、「センターレスグラインダー」、「センタレス研磨機」、「センターレス研磨機」、「センタレス加工機」、「センターレス加工機」、「心なし研削盤」、「心無し研削盤」、「芯なし研削盤」、「芯無し研削盤」、「無心研削盤」・・・と言葉の組み合わせで膨大な呼び名があります。
因みに英語では"Centerless grinder"か"Centerless Grinding Machine"

日本語って難しいですね^^;

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